| 1. |
農産物を「有機農産物」として認定すべきかどうかを審査する尺度としては、対象農産物の生産方法を最も重視している。特に作物や家畜に対する投入資材(肥料・農薬・飼料等)については、化学・合成物質(化学肥料、合成殺虫剤、合成除草剤等)の使用をごく特殊な例外を除き禁止するほか、その他の物質についても、使用可能な品目を厳密に規定している。 |
| 2. |
肥料として家畜排泄物(糞尿)を使用する場合にも、厳しい条件がつけられている。例えば未完熟な家畜の糞尿は、化学肥料の場合と同様に、過剰な硝酸塩又は亜硝酸塩を農作物や地下水(飲料水)に混入させ、消化器系統の発ガン要因を生み出す危険が大きいとして、その使用が禁じられている。また、工場的手法による大群飼養などでは、家畜排泄物に有毒物質(重金属、抗生物質等)が少なからず含まれている懸念が極めて大きいとして、否定的対応が行われている場合が多い。 |
| 3. |
広域下水道の汚泥や都市廃棄物の使用についても、発生源を特定しがたいため、工場や家庭から排出した重金属等の有毒物質が含まれている危険が大きいとして、否定的対応を行っている場合が多い。 |
| 4. |
病害虫・雑草対策としては、化学物質等の人造物質を使用しない方策(輪作、機械中耕、生物学的防除法等)だけが認められている。 |
| 5. |
化学物質等の使用を全面的に中止した農地でも、それらの物質の土中残留問題を重視し、使用を禁止してから一定期間(原則として二年以上)を経過した後に、播種または移植によって生産を開始した農作物だけが「有機農作物」としての売買を認められている。また、化学物質等を使っていない証拠資料として、肥料・農薬の使用等に関する正確な営農記録を保存することが、義務づけられている。 |
| 6. |
慣行農法から有機農業への転換に際しては、経営全耕地を対象として一挙に農法転換を実施することは要求されないが、農法転換の対象として取り上げられた圃場単位では、有機農業を開始した最初の年から化学物質等の投与が全面的に禁止されている。減農薬方式は、現段階の国際的な技術水準のもとでは、実現が極めて困難だとして認められていない。 |
| 7. |
代表的な自主基準等では、人畜の健康にとって有害な物質の使用を規制するだけでなく、これらの物質を使用しなくても営農が成り立つような農業形態の定着化が「有機農産物に関する基準」を策定する基本目的である旨、明記されている場合が多い。 |